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●解説「カネボウ粉飾決算」
04年3月、経営悪化から産業再生機構に支援を要請したカネボウが、その
後の内部調査で巨額の粉飾決算をしていたことが判明。旧経営陣3人=帆足隆
・元社長、宮原卓・元副社長、嶋田賢三郎・元常務=と、中央青山監査法人
(東京都)の公認会計士4人が、証券取引法違反の疑いで逮捕された。
東京地検特捜部などの調べでは、帆足元社長らは、02年と03年度3月期
の同社決算を操作し、それぞれ約800億円の債務超過があったのに、それぞ
れ「資産超過」とした虚偽記載の有価証券報告書を作成。公認会計士も事情を
知りながら、「適正」とする監査報告書を提出した疑い。
同社の経営浄化調査委員会は、04年10月、粉飾決算の事実を公表し、
05年4月、調査結果を公表した。それによると、粉飾は1998年度から5
年間にわたり、総粉飾額は2150億円に達した。売上高の水増しや、子会社
の毛布メーカー「興洋染織」などの巨額赤字の関連会社の連結対象外し、在庫
の損失未処理などで赤字を圧縮していた。金融機関以外の利益操作としては、
過去最大規模だった。
また、2000年3月期から02年3月期にかけ、役員が数億円の裏金をつ
くり、使途不明になっていることも判明した。
さらに事業継続が困難な子会社「興洋染織」に赤字補填を続けた結果、カネ
ボウ本社に500億円超の損失を与え経営を悪化させたとして、現経営者が
帆足・元社長と宮原卓・元副社長に計10億円の損害賠償請求訴訟を起こして
いる。
カネボウは95年から9年連続の債務超過だったのに、粉飾決算で隠してい
た。経営が行き詰まった04年よりも、さらにその数年前から債務超過に陥っ
て「経営破綻」状態だったが、虚偽の決算報告書を提出して、株主などの投資
家や一般消費者を欺いていた。
同社による旧経営陣3人の刑事告発に基づき、05年7月、3人は逮捕され
たが、8月、帆足・元社長、宮原・元副社長の2人が起訴された。嶋田・元常
務は従属的として起訴を免れた。
帆足・元社長は、地方の販売会社でモーレツ営業マンとして頭角を現し、カ
ネボウ入社後、社長に上り詰めた。成績の悪い部下を怒鳴りつけ、恐れられて
いた。経理部幹部からの損失報告に対し、「社員を失業させるのか」と脅し、
偽装を命じていた。取締役会などの意思決定機関は、帆足・元社長、宮原・
元副社長のワンマン体制だったらしい。
また、05年9月、東京地検特捜部は、中央青山監査法人(東京都)の公認
会計士4人を証取法違反の疑いで逮捕した。4人は入社後22〜36年のベテ
ラン会計士で、証券報告書に添付して「適正」のお墨付きを与える監査報告書
に署名する立場だった。長年にわたる偽装が発覚するのを恐れ、粉飾の指南も
していたらしい。
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